古代パワーストーン!?
不思議な石をめぐろう
ひと目見ただけでは何なのかわからない石像物が、沢山残されている明日香村。
日本の文化の主流となった仏教美術とは異なるものがほとんどで、用途については、ほぼ判明ができていても確証できる石造物が少ないといいます。 そのどれもが、なかなか面白いカタチをしているので、本来の名前にこだわらず、家族の中で相談決定した名前をつけてみる、そんな遊びをしてみるのもいいですね。
飛鳥水落(あすかみずおち)遺跡
中国の水時計「漏刻」の台といわれる遺跡。小さなプールの中に真ん丸の穴が開いた石、水盤のような石もあって、とても不思議。宿の駐車場になっている「あすか夢の楽市」に隣接する遺跡です。
亀形石造物
円形の胴体に手足がでているようにも見えるけど…。斉明天皇が信仰した道教の世界を表した両槻宮の一部、政治を占う施設、身を浄める場所など諸説あり、7世紀中頃~10世紀の間にかけて利用されていました。(重要文化財保存協力金)
酒船石(さかふねいし)遺跡
酒を搾った遺跡といわれますが、油を造ったとか、庭園の施設の一部などの諸説もあります。また、小説家の松本清張氏によれば、ゾロアスター教の儀式に用いる薬酒をつくるための石など、ミステリアスな説もある遺跡です。
亀石
重さ10t以上もの花崗岩に亀の顔が掘られているからの名前。でも、人にも見える?何のためにここにあるのかは謎とされ、推測はさまざまあります。亀が西を向いたら大和国一帯が泥の海に沈むと言い伝えられているとも。
二面石(にめんせき)
善面と悪面の2面の顔をもつ石造物は、聖徳太子ゆかりの橘寺境内にあります。男性と女性の顔、微笑んでいる顔と首をかしげて不思議そうにしている顔という説もあり、想像力を高めます。
猿石(吉備姫王墓)
(きびひめのみこのはか)
石格子の中に並ぶ4体の猿石。左から、女・山王権現・僧・男だといわれています。吉備姫王は、隣接する梅山古墳に眠るとされる欽明天皇の孫にあたり、斉明天皇、孝徳天皇の母、天智天皇、天武天皇の祖母です。
鬼の俎(おにのまないた)
手前のクボミは何に見えますか?長さ約 4.5m、幅約2.7m、厚さ約1mの巨石、鬼の俎の謂れは、旅人がこのあたりを通ろうとすると霧がかかり、行く手を阻まれたところへ鬼が現われ、旅人を爼の上で料理したということからです。
鬼の雪隠(おにのせっちん)
俎で料理された旅人を食べた後、雪隠で用を足したなどの諸説ある遺跡です。高さ約 1.3m、内幅約1.5mの巨石は、梅山古墳・欽明天皇陵の石室の底石と蓋と説明されていますが、なぜここにあるのかは謎といわれます。
※石めぐりはレンタサイクルで
めぐるのがおすすめです。
石人像(せきじんぞう)
盃を口にあてた男性に女性が寄り添う形の遺跡は、石神遺跡から出土した石造物。さて、この二人は、どんなことを思っているのでしょうか?飛鳥資料館内にあり、写真は庭園にある石人像で、実物は館内(有料)に展示。
須弥山石(しゅみせんせき)
石神遺跡から明治時代に出土した、まるで噴水のような須弥山石。庭園用石造物と推定されています。飛鳥の歴史と文化を紹介する飛鳥資料館の庭園にあり、他にもさまざまな石造物と出会えます。
弥勒石(みろくいし)
飛鳥川の右岸にある祠の中。2.5mほどの高さの不思議な石仏が弥勒石です。下半身の病気が治るとされ、わらじが沢山奉納されています。表情はなかなか読み取れませんが、見ていると気持ちが穏やかになります。