明日香 ブランシエラ ホテルズ

身を隠すため吉野へ
二人が見た風景と、奥飛鳥の魅力

身を隠すため吉野へ 二人が見た風景と、奥飛鳥の魅力

大海人皇子(後の天武天皇)は、兄の天智天皇が皇位を譲る話をした時に「これは策略で自分を試している」と推察し、謀反といわれないよう出家し隠棲。この吉野へ逃げるように向かいます。その時、多妻ながら唯一同行した妻の鸕野讃良皇女(うののさららのひめみこ)と「天皇が国家の中心となり、民が楽しく暮らせる世の中」を語り合い、夫婦の絆がより深まったといいます。明日香村での過ごし方の一つは自然を堪能すること。かつて大海人皇子(後の天武天皇)と鸕野讃良皇女(後の持統天皇)もたどった風景を楽しんでみませんか。

不安を背負いながら
隠棲先の吉野へ向かった

芋ヶ峠

芋ヶ峠(いもとうげ)
明日香と吉野を結ぶ「芋ヶ峠(いもとうげ)」。大海人皇子(後の天武天皇)が、病に倒れた天智天皇から皇位を譲る話をされましたが、受けずに吉野へ向かったという古道の峠です。皇后の鸕野讃良皇女は皇位継承し、持統天皇となってからもこの道を通り、夫が意気揚々と“良き国語り”をした吉野へ向かったとか。かつては吉野町と明日香村を結ぶ最短の道とはいえ、なかなか超えるのが難しい山道は、入り口あたりに案内板が立っています。
芋ヶ峠の解説板

明日香村側にある芋ヶ峠の解説板には歌が紹介されています。

み吉野の 耳我(みみが)の嶺(みね)に
時なくぞ 雪はふりける
間(ま)無くぞ 雨はふりける
その雪の 時なきがごと
その雨の 間なきがごと
隈もおちず 思ひつつぞ来し その山道を

吉野の耳我の山には 時知れず雪が降るという 絶え間なく雨が降るという その雪や雨の絶え間ないように 道を曲がるたびに 物思いを重ねながらその山道を辿ってきたことだよ

最古の和歌集『万葉集』に編纂されている天武天皇の歌。数首ある中で吉野を歌う和歌が多いといいます。

芋ヶ峠のマップ
住所
奈良県高市郡明日香村稲渕~ 奈良県吉野郡吉野町
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大海人皇子夫婦の隠棲先で、
二人が国づくりの夢を語った
飛鳥時代の離宮・吉野宮の推定地

「宮滝遺跡〈吉野町〉」

宮滝遺跡の全景
宮滝遺跡の全景
吉野川
吉野川
大海人皇子が隠棲した飛鳥時代の離宮「吉野宮」の有力な候補地。両岸が屏風のように切り立った独特の景観がある吉野川など、風光明媚なこの地は、『万葉集』にも、その美しさが多く詠まれています。この景観を眺めると、皇子の激動の生涯に思いを馳せることができます。また、近隣の吉野歴史資料館(土日のみ開館)では、吉野宮に関する展示が見学できます。
古代のような雰囲気が感じられ
穏やかな気持ちになる

奥飛鳥の稲淵地区

奥飛鳥の稲淵地区
飛鳥川の地形に即した、昔ながらの居住や農業のあり方を示す価値の高い景観で、いにしえの飛鳥を彷彿とする変わらない雰囲気が感じられる「稲渕地区」。2011年に飛鳥川上流域の栢森地区、入谷地区の集落とともに、「奥飛鳥の文化的景観」として国の重要文化的景観に選ばれるほど。川沿いを散策するだけでも、穏やかな気持ちになる場所です。

季節の風景と習慣が新鮮

稲刈り後の棚田

稲刈り後の棚田

石舞台古墳から奥へ進んだところにあり、棚田が美しい場所でも知られています。中世(平安~室町時代)に開墾され、日本の棚田百選にも選ばれ、300枚あまりの水田と畑が広がり、明日香村の美しい歴史的景観の一部として、農村の原風景を残しています。

綱掛神事(男綱)

綱掛神事(男綱)

神を祭る神聖な「神奈備(かんなび)の郷(さと)」の稲渕地区。子孫繁栄と五穀豊穣を祈るとともに、悪疫などこの道と川を通って侵入するものを押し止め、住民を守る綱掛けの神事でも知られています。集落入口となる飛鳥川の橋付近で、川の上に陽物をかたどった「男綱」を掛け渡し、飛鳥坐神社の神職が執り行います。

住所
〒634-0123 奈良県高市郡明日香村稲渕 •(男綱)明日香村稲渕1015
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儚さを象徴する存在として、
万葉歌に多く詠まれた「飛鳥川」

飛鳥川の飛び石

飛鳥川の飛び石
明日香村の多武峰(とうのみね)山系竜在峠付近を源流とする飛鳥川。明日香村を貫流して大和川にそそぐ美しい川は、今は川幅が狭くなっていますが、古代には水量も豊かで流れが激しかったとか。稲渕地区には、川の両岸を結ぶ「岩橋(いわはし)」と呼ばれる飛び石の橋が残り、万葉の歌も20首以上が詠まれています。歴史的にも文化的にも意義のある河川は、自然の風景を残す場所です。
万葉歌碑
下流側の飛び石付近には、万葉歌碑があります。「飛鳥川 明日も渡らむ石橋の 遠き心は想ほえぬかも(万葉集・作者不明)」。現代語訳では「明日も私はこの石橋を渡り、あなたのもとへ向かうでしょう。その想いはこの石橋のように離れず、あなたの心の傍にあるのです」など、ロマンチックな歌が詠まれたところへ。
住所
〒634-0123 奈良県高市郡明日香村稲渕1064
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明日香村ならではの
心に染みわたる美しい景観

細川の棚田

細川の棚田
歴史探訪と併せて、米どころの明日香村らしく棚田に行くと四季折々の美しい表情を楽しめます。細川地区は、談山神社のある多武峰(とうのみね)から明日香村の石舞台付近で飛鳥川に注ぐ川沿いにあり、西に向かって開けた地形。以前から二上山に沈む夕日が美しいことで知られます。古代の人々も同じように見てきたかと思えば、しみじみとした気持ちになります。

眺めるほどに時間を忘れる棚田風景

棚田風景

おおすめは新緑の季節、田んぼに水が入る田植えの時期

棚田風景

時期により夕日の色も変わるので季節を変えて訪れるのも

住所
〒634-0114 奈良県高市郡明日香村尾曽11
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細川の棚田
お役立ちリンク
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旅する明日香ネット
国営飛鳥歴史公園
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