女帝&歌人ゆかりの地
女性が輝いていた明日香へ

飛鳥時代は、一般的に33代推古天皇が即位した6世紀の終りから平城京遷都までの約120年間を指します。天皇暗殺の混乱を収束させるため即位したという推古天皇は、日本初の女性天皇で東アジア初の女帝です。その後、35代皇極天皇(後の37代斉明天皇)、41代持統天皇と2人の女帝が誕生。また同時代は、日本国創成の原動力となった女性がいたといいます。その一人が、女流歌人の額田王(ぬかたのおおきみ)。夫の中大兄皇子(後の天智天皇)や義母・斉明天皇を支え活躍しました。女性の活躍に触れる地へ行ってみましょう。
日本初の女性天皇
「推古天皇」の政治の舞台
「推古天皇」の政治の舞台
古宮遺跡(伝 推古天皇小墾田宮跡)
(ふるみやいせき/でん すいこてんのう おはりだのみやあと)

推古天皇

推古天皇(在位:593年~628年)ゆかりの場所は、豊浦宮で即位後、政治の舞台となった「小墾田宮(おはりだのみや)」があったとされる場所。日本初の法律による治世を行うなど、国を栄えさせた甥の聖徳太子とともに役目を果たしていく推古天皇。ここで冠位十二階や十七条憲法などの制度改革を行ったといいますが、正確な場所は未定。明日香村の発掘調査により豊浦で遺構が見つかり可能性が高いといわれます。
住所
〒634-0041 奈良県高市郡明日香村豊浦
斉明天皇が営んだ宮の跡地に
建立された大寺跡
建立された大寺跡
川原寺跡 弘福寺
(かわはらでらあと ぐふくじ)

皇極天皇(後の斉明天皇)

宮殿や施設の建設など土木事業を進めた皇極天皇時代を経て、斉明天皇の時は「川原宮」を営んだといい、その跡地にある寺院です。亡き母のために天智天皇が建立、弟の天武天皇も国の行事に重宝したとか。元々「飛鳥四大寺」に数えられるほど大寺院でした。現在は「弘福寺」として在り、日本で初めて写経を行った場所として写経体験もできます。



川原寺は室町末期に廃寺の記録があり、現在の弘福寺の再建は江戸中期。ところがご本尊の十一面観音、持国天や多聞天、十二神将のほとんどが平安初期に造られた木造仏。創造性高まる寺院です。
住所
〒634-0141 奈良県高市郡明日香村川原1109
額田王が大和三山の風景などを
詠んだ背景として考えられる
詠んだ背景として考えられる
甘樫丘(あまかしのおか)

額田王

額田王は飛鳥時代の万葉集にも多くの歌を残す女流歌人。斉明女帝が百済再興のために九州へ向かう際にも歌を詠み兵の士気を高めたという逸話もあります。そもそも額田王は、大海人皇子と恋に落ち一女をもうけますが、天智天皇が略奪。天智天皇の「香具山は畝火愛しと耳梨と相争ひき神代よりかくにあるらし古昔も然にあれこそうつせみも嬬を争ふらしき」と香具山(男神)・畝傍山(女神)・耳成山(男神)の大和三山を絡めた歌があり、天智天皇と大海人皇子と額田王の三角関係を連想させます。

東側は明日香村の集落、西側は大和平野の市街地や 大和三山を一望することができる甘樫丘。ブランシエラヴィラ明日香からほど近くで、時間を問わず散策が気持ちの良い場所です。
住所
〒634-0107 奈良県高市郡明日香村豊浦~川原
現存する日本最古の歌集「万葉集」の世界へ
万葉集をテーマに古代文化が楽しめる
「奈良県立万葉文化館」


楽しみながら万葉の世界が学べる、『万葉集』を中心とした古代文化を紹介する総合文化施設。1階の日本画展示室では、万葉歌をモチーフに描かれた日本画の展示。地下展示室では、当時の暮らしや万葉歌人の個性・心情などを紹介。額田王に関する人形と映像による歌劇も。企画展示室や万葉・図書情報室、ミュージアムショップやカフェレストランもあります。
住所
〒634-0103 奈良県高市郡明日香村飛鳥10
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